がっつりネタふり


by dc2keeper
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IBMがPCから撤退したわけ<補足掲載>

IBMがPC事業から撤退したのはなぜか。

この辺の事情をまとめてみる。デスクトップPC市場が良くわからないって人は参考にしていただけるとありがたい。(知っている人には釈迦に説法な内容ですよ)



IBMがPC事業から撤退したのはなぜか。それは、市場自体がデスクトップPCでは収益を上げられない構造となってきているからだ。

デスクトップPC市場が収益を上げられない状況となったことを説明するのには、外資系PCメーカーが台頭してきた時期くらいから話をするのが妥当だ。
日本から見て、昨今、外資のPCメーカーが台頭してきたのはなぜか。それはPCを構成するパーツが市場の広がりによってどんどん供給され、汎用化され、誰でも作り上げられる構造になってきたと言うこと。それにより、OSに様々なものを抱き合わせて売ることで値段の格差を隠していた国内PCメーカーは、ハードのみの価格競争に巻き込まれていくこととなる。


この後に、次の事件が発生する。
3大HDDメーカーとした場合に挙げられる、Seagateの会社概要にこんな一説が載っている。
http://www.seagate-asia.com/sgt/japan/cofactsheet.jsp
ご存知でしょうか?
ハードディスク・ドライブ業界は拡大基調にある一方で、統廃合が進んでおり、1998年には12メーカーあったものの、現在では7社となっています。世界全体のハードディスク・ドライブ市場は2006年までに3億5000万台を超すと、市場関係者は予想しています。

http://www.seagate.com/newsinfo/about/profile/index.html

この背景として、記憶単価が安くなりすぎて、収益を上げることができなくなってきたことが挙げられる。
当時、20GBのディスクを購入するのに2万円と、1G=1000円という一つの価格の目安があった。
いまや、250GBのディスクは15000円ほどで購入できる。
IBMデスクトップPCの撤退の歴史は、IBM製HDDドライブ事業からの撤退が幕開けであった。私のPCにはIBMのHDDが何機か設置されている。Deskstarという商品名であった。


その後、決定的とも思える流れが発生した。
これは、HDD事件のそれよりは大きな事件として認知されていないが、PCの不必要な高性能化である。
今のPCはIntelが最新のチップを搭載してマザーボードから利用できるCPUを限定することで、高クロックのCPUを搭載させようとする図式がある。
これは、店頭に並ぶPCのラインナップが押しなべて高性能になることを意味する。コンピュータ屋としてはそれは歓迎すべきことの一つではあるが、実際、使う人がその処理能力についていってはいない。
5年前も3年前も今も、ショップの店員が同じ口調なのはなぜだろう。「こちらの処理速度が速いほうが、アプリケーションは軽快に動きます。ただ、こちらのコンピュータでも処理はできます。メモリだけは積んでおいたほうが何かと便利だと思います。」
ソフトは年を追うごとに高機能となってきてはいるが、一昔前のコンピュータでもほとんどのアプリケーションが動作するのが実情だ。

処理落ちが頻発していた時代は当の昔に過ぎて、今はスペックのボーダーラインを超えたハードしか発売されていない。部品の値段もHDDの例のようにどんどん落ちてきている。増えた記憶容量に見合うアプリケーションとして、例えばTV録画など、家庭用AVとして新しい道を模索するようになってきた。家電メーカーでも、NECやFujitsuは、IBMなどとは違い、こうした路線に自然とシフトしてきている。ただし、PCそのものとしてのオーバースペック加減は火を見るよりも明らかだ。AV機能を兼ね備えたPCを購入する際に店員に聞くとわかる。「ExcelやWord使うのには問題ないですかね?」と。

高付加価値のPCを高い値段で売るための売り文句がAVであり、これがあるから高額なPCを購入するお客がいるに過ぎない。Word、Excelだけ使えればよいというユーザーはまだまだたくさんいるしこれからも続く。インターネットは携帯でも見られる時代になった。


IBMに限って言えば、これだけで撤退する材料が揃っている。
家電に行くわけでもなく、DellやGatewayがそうしてきたように、BTOの充実や価格破壊をするわけでもない。さらにIBMはちょっとしたBrand料をとるのだから、正直きつい。IBMのメインの戦略としては、やはりPCに自社のシステムを組み込んだ抱合せ販売となる。コンピュータはDellで揃えて社内システムはIBMから調達したほうが安く済む場合も出てくる。システムを納入するから、PCをディスカウントしてくれなんて話も出てくる。

もはや、PC市場で順当に生き残れるのは世界の大量生産工場中国ということになる。(従来から台湾のボードメーカーなどはたくさんあるPCハードに関しては強い国でもある。)

こうした事情、
外資系PCのBTO市場到来、
パーツの価格破壊、
使い方によっては新品PCはオーバースペック、
といったことが、
IBMが撤退した理由となる。

他のPCメーカーが市場から撤退してもおかしくない。
次の転機は明らかに、AV機器PCとしての図式が来たときだろう。
PSXも再燃しているようだし。(12月10日再発売?)
家庭用HDDレコーダがハッキングされる時代だ。PCでAVの意義が薄れてくる日もそう遠くない。


口調がまじめでやだなあ。
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by dc2keeper | 2004-12-09 14:30 | コンピュータ、プログラム